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暮らしの種をまく。

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「資材が届かない」からこそできる、丁寧な家づくりの話

お湯が沸くまでの数分間。 ふと窓の外を眺めると、街路樹の緑が日に日に濃くなっていることに気づきます。
季節は、私たちの都合とは関係なく、ゆっくりと、でも確実に進んでいますね。

今日は、私たちの家づくりの現場で起きている「小さくて、少し大きな変化」について、お話しさせてください。

「もと」をたどれば、一本の糸のように

最近、ニュースなどで「ナフサショック」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。
「ナフサ」って、なんだか聞き慣れない不思議な響きですよね。

簡単に言うと、それはプラスチックや塗料、接着剤などを作るための「もとの材料」のこと。
実は、私たちが毎日使うキッチンやお風呂のパーツ、壁紙を貼るための糊、水道のパイプ……。
家を支えるたくさんのものたちが、このナフサから生まれています。

今、その材料が世界中を旅する途中で少し足踏みをしていて、私たちの現場に届くのがいつもよりゆっくりになっています。

待つ時間を、「愛でる」時間に変えて

楽しみに待ってくださっている皆さまにとっては、予定通りに進まないもどかしさがあるかもしれません。
その不安な気持ち、私たちも痛いほどわかります。

でも、こんな時だからこそ、私たちはあえて「ゆっくり」を楽しみたいと考えています。

「洗面台が届くのを待つ間に、鏡の周りに飾るタイルを、もう少しだけこだわって選んでみませんか?」
「パイプが届くまでの時間を使って、玄関先に植えるお花のことをゆっくりお話ししませんか?」

パズルを急いで完成させるような家づくりではなく、一つひとつの素材を吟味し、対話を重ねる。
それはまるで、コトコトと煮込み料理を作る時間に似ているかもしれません。

隠さず、手渡しするように伝えること

私たちは、大手メーカーさんのように「すべて順調です」とスマートに振る舞うことは苦手です。

「今はこれが届いていないんです」 「でも、代わりにこんな素敵なアイデアを思いつきました」

そんなふうに、現場の温度感をそのまま、正直にお伝えすることを大切にしています。
職人が木を削る音、知恵を絞って工夫する姿。
そうした「顔の見える」やり取りの中にこそ、本当の安心が宿ると信じているからです。

不自由な時期だからこそ、見えてくる「暮らしの本当の豊かさ」があります。
慌てず、焦らず。
皆さまが心から「ただいま」と言える場所を、一歩ずつ丁寧に育てていきたい。

温かいお茶をもう一杯淹れるような気持ちで、どうぞ私たちの歩みを見守っていただけたら嬉しいです。